京都 四条烏丸の歯科医院 RIMO dental clinicの院長 小川智功です。
僕が日頃歯磨きに対して、どのような認識を持っていて実践しているかを書いてみたいと思います。
0. はじめに
1. 歯ブラシの選択について
2. 歯磨き粉の選択について
3. 僕個人の歯磨きについて
4. おわりに
今回は『2. 歯磨き粉の選択について』お話します。
歯磨き粉についてお話しする前に、ブラッシング時に歯磨き粉が必要か否かをお話しします。
僕自身が学生時代の20年前は、「歯磨き粉をつけると泡立って歯が見えなくなる。磨けてなくても磨いた気になるから歯磨き粉はつけない方が良い」と習った事がありました。一理あると思いますし、否定するつもりはありませんが、僕は学生時代から歯磨き粉をつけてブラッシングしています。理由は磨いた後が爽快だからです。日常的に行うことが、爽快で気持ちよいことは大切だと思います。
(1年間歯磨き粉を使わないで、ブラッシングをされた方です。着色除去希望でご来院されました。着色はついていますが、むし歯、歯周病はありません。「お願いですから、歯磨き粉を使って下さい」とお伝えしました。できる限りのクリーニングを行い、着色除去を行いました。)
20年経つと携帯電話もモノクロからカラー画面になり、カメラがついて、スマートフォンになり、wifiが飛び、どこでもインターネットができるようになりました。歯磨き粉ももちろん進化しています。
歯磨き粉には、以下の目的をもった種類があります。他にもあるとは思いますが、代表的な一部です。
◎ むし歯、歯周病予防
◎ 着色除去
◎ フッ素コート
他に補助的に使うと良いものは
◯ 含嗽剤
◯ タブレット
があります。
僕は基本的に歯磨き粉は何を使っても良いと考えています。 しかしながら、論文や臨床医の報告で、以下のものの使用は推奨しておりません。
● 顆粒やスクラブ剤を含有した歯磨き粉
洗顔においてもスクラブ剤の入った洗顔料は肌を傷つけると報告されています。歯も肌と同様です。ただ、歯を傷つけるだけでなく、その顆粒が歯と歯肉の間(歯肉溝)に挟まり、歯肉炎の原因となるため、使用が推奨されていません。
歯磨き粉は、自身が希望する用途の歯磨き粉を併用し、相加相乗効果を期待するとより良いと考えています。
僕は着色がつきにくい体質のようなので、◎むし歯、歯周病予防と◎フッ素コートの歯磨き粉を使っています。
歯磨き粉は市販、歯科医院専売の物など多種類にわたります。各々の体質により、効果も個人差がありますので、ご自身で使ってみてお好きなものをお使い下さい。
含嗽剤は色々ありますが、僕はリステリンが良いと考えています。口腔内常在細菌叢には良い菌も悪い菌もいます。リステリンは良い菌は殺菌せずに悪い菌のみを殺菌すると論文で報告があります。夜ブラッシング後にリステリンで含嗽すると翌朝もスッキリしてます。ただ、非常に刺激が強いです。口内炎がある時に口に含むと悶絶するほど痛いです。紫色のリステリンは含嗽後にブラッシングするという歯磨き粉としても使えます。
タブレットは口腔内常在細菌叢の中に、ロイテリ菌やL8020菌といった良い菌を増やす目的で就寝時に口にします。むし歯になることはありません。翌朝の口臭も抑えることが可能です。
僕はブラッシングをより効果的に行うには歯磨き粉が必要だと考えています。自身が目的とする用途のものに加え、含嗽剤、タブレットを併用するとより良い口腔内環境を整えることが出来ると思います。