京都 四条烏丸の歯科医院 RIMO dental clinicの院長 小川智功です。
全体的に治したいと来院された患者さんに問題点とその治療計画、手術計画を提案し、同意頂きました。
残根抜歯を終え、インプラント埋入に問題ない場所から埋入していきました。まずは右の上下からです。この時、患者さんはまだ右下と左下の抜歯の踏ん切りがついておられませんでしたので、まだ残っている状況です。
次に左上の埋入です。患者さんは怖がりの方でしたので、上顎洞は触らず、ショートインプラントの本数を増やして代償するように計画しました。
患「骨の量が少ない場合、ショートインプラントの本数を増やして対応する論文に基づいて治療した、という医院をホームページで見ました。私もそうなんだな、と思いました。」
私「ご安心頂けたのであれば、まずは何よりです。
大変恐縮ですが、私は『有名な先生がこうしてたから。』『論文でこう言うてたから。』という理由で、治療計画を立案することはないです。誰かの言いなりだったり、指示を受けていたり、誰かに何かに頼らなければ自身の治療が成立しないうちは、院長であることも患者さんに対して主治医と名乗ることも難しいと考えます。
見たことのない先生、会ったことのない先生が自分よりも技術や方針が優れているとは考えていませんので、自分が責任を持てるやり方でしか治療計画を立てません。臨床の答えは論文に書いてある訳ではなく、有名な先生が知っている訳でもなく、『患者さんが答え』だと私は考えています。〇〇さんにこの先何かあった時に、「有名な先生に相談しますんで。こういう時にどうするか論文を調べますんで。」と言われたら、どう思いますか?
私が患者さんの立場だったら、「え。。。他人任せ??」って思います。
答えは他人が経験していることではなく、文献に載っているものではないと思います。僕は患者さんは教科書だと思ってます。患者さんの答えは、患者さんによって一人一人違います。正しい答えを導きたいのであれば、レントゲンや口腔内診査の資料などを熟読し、患者さんにとって何が良いかを一生懸命考えることです。
ショートインプラントの本数を増やして対応した理由が、
『有名な先生がこうしてたから。論文でこう言うてたから。』
『この先何があっても〇〇さんが困らないことだけを考えたから』
私は後者です。〇〇さんのことを考えて出した結果が、論文で出ている手法だったり、有名な先生が考えた手法と同じだっただけです。でも、〇〇さんはどちらの理由が自分のことを考えてくれた治療計画だと安心できますか?」
と答えました。患者さんにはご安心頂けました。
右下と左下の抜歯にも同意頂き、左下にインプラントを埋入しました。右上はミニスクリューで矯正的に圧下、上顎前歯部は矯正的に挺出させている途中です。
最終補綴まで終えました。各々の部分の比較です。まず右上です。
左上です。2本分の欠損に対し、2.3本分位の歯冠幅径になるような設計をしています。あまり奥深くまで歯を作ると顎関節に負担をかけること、歯磨きもしにくくなるためです。
左下です。
右下です。
術後のレントゲンです。
初診時との比較です。
患者さんはとても不安に感じておられたと思います。患者さんが勇気を出して手術を受けて下さった事に感謝しています。とても喜んで下さったので、良かったです。
医療広告のガイドラインに基づき、治療概要を記載致します。
治療名:骨組織再生処置、インプラント治療、CEREC治療、アンカースクリューによる機能的矯正、エクストルージョン、ホームホワイトニング
治療内容:骨組織再生後、8本のインプラントを埋入。仮歯作成後、光学印象、セラミッククラウン装着。
治療に際してご理解頂いたこと:局所麻酔が必要です。インプラント治療では外科処置が必要です。インプラントドリリング時、歯の切削に伴い、振動などの違和感があります。機能的矯正による圧下は状況によりますが、6〜12ヶ月で判断していきます。
治療後にご注意頂くこと:治癒は術後の患者さんの動向に依存する部分もあります。手術後2〜3時間は患部を良く冷やして頂いた方が腫れにくくなります。手術後当日は汗をかくような体を温める血行が良くなることは控えて、安静にして頂いた方が腫れにくくなります。2〜3日は腫れることがございます。装着している上部構造はオールセラミッククラウンなので、固い物を不意に咬んだ時に割れることもあります。しかし、中のアバットメントは全く無傷でいることが可能ですし、コンピューター内にデータがありますので、ご来院時には既に作成しているセラミッククラウンを装着できます。
治療期間:約1年間
処置内容:骨組織再生手術、機能的矯正、ホームホワイトニング、8本インプラント埋入手術、光学印象、セラミッククラウン装着