京都 四条烏丸の歯科医院 RIMO dental clinicの院長 小川智功です。
12年6ヶ月勤務してくれた衛生士が退職となりました。
患者さんには沢山の慰労のお言葉、沢山のお心遣いを頂きました。彼女はかなりの反響に驚いていましたが、私にとっては予想通りでした。
私は、彼女を引き留めることは一切していません。私が事業主、経営者として一番やってはいけないと考えているのは、スタッフの将来、幸せを考えない私の保身のみの『飼い殺し』です。私が注力すべきことは、まさに『Sustainable Development Goals 持続可能な発展目標』です。それは、引き留めのような後ろ向きな行動ではなくて、世の求職者に勤めたいと思ってもらえるような前向きな環境作りと普遍的な歯科医療施術の提供だと考えています。
退職することが彼女の幸せへの一歩だと決断したのであれば、それを応援することが12年半一緒にやってきた仲間として行うことだと考えました。
彼女がもし出戻ることがあれば、それはこの時の患者さんからの多大な反響のおかげです。私はスタッフにとって、当院がもっと魅力的な環境になるよう尽力します。
スタッフは自分が幸せになるための手段として、当院での勤務に期待していると思います。
患者さんも悩みや不安やコンプレックスの解消に加えて、口腔内の健康維持を当院に期待されていると感じています。私が目指す理想は、スタッフと患者さんからの期待に応えることができる医院です。
13年前に新規オープンで求人を出した時に140名の応募者がいました。4日間で一人一人面接し、選抜した10名の二次面接を行って、3名を採用しました。お断りすることになった137名には一人一人にお詫びの手紙を書きました。
そうやって自分なりに努力して採用したオープニングスタッフは、8ヶ月で2人退職することになりました。その際に、当院での勤務を希望してくれたのが彼女でした。
12年前のことですが、当時の私の力不足で、約2週間、スタッフが彼女1人だけになったこともありました。私は最後に「僕が君に感謝してるのはこの数年のことじゃない。12年前に心細い気持ち、不安な気持ちにさせてしまったことは申し訳なかった。でも、あの時に1人でも辞めずに支えてくれたことが嬉しかった。君への感謝はあの時が全て。そして、今までありがとう。」と伝えました。
今回、11年ぶりに求人を出してみて、当たり前ですが社会情勢、社会背景が大きく変化していることに気づき、とても勉強になりました。2名しかいない従業員が2名とも退職し、ゼロになるところでした。歯科衛生士の求人は約1ヶ月、歯科助手の求人は約1週間出しました。
不安もありましたが、自分がやってきたこと、積み重ねたことを信じていました。
短い期間で、沢山の勤務のご応募を頂きました。本当にありがとうございました。
今回ご応募頂いた求職者の方には大変申し訳なく思っております。またの折に、お会いできることを祈念しております。
その上で、3名の採用が決まりました。
3つの医院様から採用の内定をもらった上で、当院での勤務を希望してくれた衛生士さん。
11年間求人が出ていなかった当院での求人に対して、自身の予定を6ヶ月早めて当院での勤務を希望してくれた歯科助手さん。
4年前に勤務を希望して当院に電話してきてくれた時は、お断りしたにも関わらず、恐れ多くも再度ホームページを見て当院での勤務を希望して電話してくれた衛生士さん。
彼女達が当院での勤務にとても期待していることを痛感しています。やる気満々の3人でとても嬉しいです。
私は、「君達の前にはいくつかの道があったと思う。人生において大切なのは、正解の道を選ぶのではなくて、選んだ道を正解にする気持ちだと僕は考えている。僕は君達の選択が正解だったことを証明してみせる。僕は日頃の姿勢、日常への考え方が、生き方や人生に影響すると考えている。だから、修正すべき点、改善すべき点は伝えるし、その時は僕の言う通りに直して。その積み重ねが君達自身の幸せにつながっていく。
どんなことがあっても、僕が君達のことを一番必要としているから。みんなで上がって行こう。」と伝えました。
末筆にはなりますが、当院にご期待下さり、ご通院頂く患者さんには、本年も尽力できて歯科医師冥利に尽きる一年でした。
2025年も情熱特盛、熱量マシマシ、燃焼系の医院で、臨床に邁進して参ります。
皆様が、幸多き新年をお迎えになりますことを祈念しております。